FRAME TOKYOのメンバー同士でインタビューを行い、普段あまり話すことのないメンバーの素顔を探る新企画。第2回は、独自の世界観を持つYume Katsumiの素顔に、Shunsuke Matsunagaが迫ります。
Yume:記念すべき第1回目のFRAME TOKYOのメンバーへのインタビューということで、今日はShunsukeさんにお話を伺いたいと思います。カジュアルな感じで普通に話せれば良いなと思っています。よろしくお願いします。
Shunsuke:よろしくお願いします。
Yume:第2回目のFRAME TOKYOメンバーインタビューは、Shunsukeさんに私のインタビューをしていただこうと思います。よろしくお願いします!
Shunsuke:よろしくお願いします.!私が思うユメさんのイメージといえば、、鼻ピアスだなと思って(笑) 写真の話とは関係ないのですが、鼻にピアスを開けたのはいつ頃だったんですか?
Y:大学2年生ぐらいの時だったので、ハタチぐらいだと思います。
S:自分でですか?それともどこかの店で?
Y:自分で開けたんですよ。
S:すごい!でも痛そうじゃないですか。
Y:鼻の中に軟骨みたいなところがあるんですが、その下の部分に皮膚状の部分もあってそこの部分だったらいけるかなって。痛いから開けないという選択と痛いけど開けるという2択で考えた時に、開けたいという意思が強かったので痛いけど開けるを選んだという流れです。
S;何気に論理的ですね。その開けたいという意思はどこから来たんですか?
Y:大学時代の友達で、ファショナブルで、かわいい子がいて影響を受けて自分も開けたくなったんですよね。
S:今となってはユメさんの代名詞ですよね。
Y:もはや自分の一部です。
S:良いと思います。夢さんというと自由なイメージがあると思って…今の自由な性格も昔からのものなのでしょうか?
Y:元々の素質は小さい時から変わってないと思います。個性を尊重する両親で、他の人と一緒のことをするのではなくて自分が本当にしたいことをする様に言われていました。誰かの真似をして物を買ってもらうようねだったり、人の評判を気にして図工で作品を作ったりするとダメと言われて育ちましたね。
S:素晴らしいです。
Y:ただその一方で日本の教育システムに基づいた小学生、中高生時代個性的であることが簡単ではなかったと感じてます。自分の本来の姿を本当に周りに対して出せないこともあって、葛藤したこともありましたね。
それが大きく変わったきっかけは高校時代に1年間留学したことです。
外国の人と関わるようになってからどんどん自分を出してもそこまで引かれないのかなとか、逆に自由で自分の芯があるほうが周りとの関係性もうまく行くのではと感じるようになりました。そうしていくうちに人にも恵まれるようになり、結果的にここ最近は型にはまらない自分を許し、認めてくれるような人が周りに増えたかなと思います。もちろん迷惑をかけることもあるので私のことを個人的に知っている人たちは色々心の中で思うところがあるかと思いますが(笑)。感謝しています。
S:あと、夢さんは確かチェコに留学されていたんですよね。
Y:そうですね、チェコですね。
S:チェコは個性を大事にする文化なんでしょうか。
Y:そうですね…チェコは私の個人的な印象で言うとやはり暗いですね。共産主義の名残で暗くて、一見人も無愛想だけど内面は暖かくて、すごく文化的な国だと思います。留学先の大学には世界中の留学生が集まっていて、留学生同士の交流が盛んでした。ヨーロッパの他の国に比べて物価が安価なのと、授業の単位が取りやすいことがまた後押しして…パーティーと旅行を満喫した一年でした。(笑)色んな意味で自分を解放できたと思ってます。
S:その時からもうDJはしていたんですか?
Y:その時はしていなかったです。自分の音楽の変遷を語ると、まず高校時代は嵐の櫻井翔くんの大ファンで曲は全部記憶していました…(笑)
S:ちょっと想像できないです!
Y:クラブミュージック系に変わってたのはチェコの留学中でしたね。
高校で1年アメリカに留学していた時はレディーガガとかブリトニースピアーズなど、洋楽のポップを聴いてました。帰ってきてからBruno Marsにハマって。その後、一曲彼がスヌープドッグとコラボしている曲があって、その曲がきっかけで今度はスヌープドッグファンになりました。
S:なかなかハードハード女子高生ですね。(笑)
Y:そうなんですよ。(笑)スマホの待ち受けもスヌープでしたからね、一時期。笑 短いスカート履いて。(笑)
そこから90年代のヒップホップにハマって、レコードを集めるようになったんです。特にジャズサンプルの90年代後半のヒップホップのレコードを集めていました。大学に進学してからはレコード屋でバイトするようになって、そこからDJも少しづつするようになりました。徐々にジャズ、ソウル繋がりでディープハウスを聞くようになったのですが、ヨーロッパに留学して完全にテクノの洗礼を受けてしまいました!大きいフェスはもちろん、ベルリンは数回行って、独自のカルチャーと自由の感覚が染み付いてしまいましたね。
S:ちょっと写真についても聞いてみようと思います。写真を撮り始めたのはいつ頃でしょうか?
Y:チェコに留学中にロンドンに旅行していて、そこでアンティークマーケットがあって行ってみたらアナログのカメラを買ってそこからです。.
S:それで最初に撮り始めて今もと言うことですね。今のユメさんの写真のスタイルってモノクロ中心でどっちかというとアブストラクトな感じが個人的にはするんですけど。最初からそういう撮り方ですか。
Y:うーん、どうでしたかね、、、
S:結構人も撮ったりしてました?
Y:そうですね。最初の頃はストリートフォトというジャンルがあるのも知らず(笑)旅先でフィルムカメラで写真を撮っていました。その時からの撮り方で今と共通することとしては、誰かの写真を真似するのではなく、自分が心動かされた物や情景を、その感情のままを表現したい、残しておきたいと思って写真を取っていることだと思います。
その後アブストラクトなものを追い求めるようになったのは、、、東京に戻ってきて、日常で接する景色や環境に対して抱く感情が減ったからだと思います。ヨーロッパにいるときは、旅行も頻繁にしていたので周りの環境が新鮮で、街並みや人からもインスパイヤされる機会が多かったのですが、生まれ育った環境で、自分の学生生活に戻ると目の前に存在する環境からに感動するようなことが減ってしまって…。その一方で、やっぱり写真を撮る喜びは自分の中で見つけていきたかったんです。その結果、自分の視点や写真の撮り方を変えることになったのかと思います。撮り方を変える際に影響を受けたことの一つは、帰国後に幸い多くのストリートフォトグラファー、DJなど表現をする人と直接関わる機会が増えたことがあると思います。実際に作品として見せる時に自分が本当に伝えたいもの、世に出したいものは何かを考えた結果、本質的、日常的、シンプルかつ伝わりやすい方法が自分にあっていると分かったのだと思います。
あと影響を受けたものとして切っても切り離せないのが音楽です。テクノやアンビエントをよく聴いていたのですが、やはり歌詞や決まり切ったリズムがない音楽ジャンルなので、魅力を見出すには自分から主体的に音楽のメッセージを得ようと言う姿勢が必要になります。要は、常にメッセージにはオープンで、同時に思考は音楽に集中している状態とも言えるでしょうか…。そのような状態で歩いていると、時に周りの景色と聴いている音楽のメッセージがパシッと合う瞬間が訪れるんです。その時の感情って、特定の場所や状況に左右されるものではなくで、どちらかといえば普遍的な、すでに世界に文脈が存在していてものとして存在する形ではなく、意味のない図形だけど何らかのメッセージがある、みたいな感じなんですよね。その結果現実に存在する物を撮っていても、結果的に視覚的体験がアブストラクトになっているのかも。
S:面白いですね。自分とはちょっと違うんですけど、影響を受けた写真家がいるというよりは、写真以外の影響が大きいと。
Y:たぶんそうだと思います。本当に写真とかしらなくて、映画もみないです。おそらく音楽から受けてる影響が大きいと思います。
S:おもしろいですね。写真、音楽何でも含めて、夢さんの中で今一番興味があることはなんですか?
Y:そうですね。。。自分の感情や考え方と、自分の身体のなかの活動がどう関わっているのかにすごい興味があります。一般的に人間として良いとされている価値観だとか考え方って存在すると私は思っていて。具体的に言うとオープンであること、周りとの関係を活かしてどんどんコミュニケーションして、新しいことを生み出していくこと、等々です。でも、それって人間の外の世界だけでもなくて、人間の身体のなかでもあることだと思うんです。細胞がコミュニケーションしてたり、脳の中でもいろんな化学物質がコミュニケーションして新しい物を産み出したり、進化したり、逆に滞りが生じたり。やはり、何かの表現をしたいと思った時に、最も主体的に自分が感じているのって、自分の身体そのものなのではないかと考え始めて、ヨガや瞑想もするようになりました。自分の考え方がどうかわるのかとか、ひいてはそれが社会にどうゆう影響を与えるのかはすごい興味がありますし、自分でもいろいろ実験してみて、周りにも良い影響を与えられればなぁと思います。
S:確かに健康は何より大事ですよね。
Y:お酒をよく飲む私が言うかと突っ込まれてしまいそうですが。(笑)
S:お酒も控えた方が良いのかも。(笑)
Y;でもお酒も血行をよくしますからね。(笑) あとは質ですかね。
S:ありがとうございます。
そういった内なる葛藤等も今後写真とかに現れてくるかもしれないなと思いつつ、今後の作品も楽しみにしています!今日はありがとうございました。
Y:ありがとうございます!
Comments