
Wounded Place
Photographer
Maik Lagodzki
Country
Germany
Description
「傷ついた場所」は、東京・新宿区で撮影された写真シリーズです。ここは夜の街の喧騒や商業活動、親密さと孤独が狭い空間の中で入り混じる都市の縮図です。2023年に撮影された84枚の写真を通して、この場所の雰囲気が描き出されています。狭い室内、厳しい光、出会いや身体の痕跡が、近さと距離の間に宙吊りになったように表現されています。パノラマ的な視点とマクロ的な視点が交互に現れ、儚い仕草や質感、断片が映し出されます。写真は偶然に観察されたかのようでありながら、意図的に構成されたものでもあります。鋭い切り取りや独特なアングルが、単純な物語を拒み、観る者に自由な解釈の余地を残します。
Short Bio
マイク・ラゴジキ(1977年生まれ、旧東ドイツ出身)は、ルポルタージュとストリートフォトグラフィーを中心に活動する写真家です。ドキュメンタリーと実験的アプローチを融合させた作品を手がけています。個人的な長期プロジェクトに加え、ポートレートやキャンペーン、編集ルポルタージュなど商業写真も制作しています。アジアやアメリカへの取材旅行が、都市環境、社会的周縁集団、社会の動態への視点に大きな影響を与えました。2015年以降、特に東京の新宿・歌舞伎町を中心に活動し、密接さと公共性の緊張関係を探求しています。また、東ドイツで社会的分断や日常、個人の痕跡を記録するテーマ性のあるルポルタージュも手がけています。彼の芸術的手法は直感的で自伝的であり、被写体は偶然の出会いや経験から現れます。影響を受けたのは、フィルムノワール、アヴァンギャルド、1960年代の日本の写真です。写真、映像、ミクストメディアを組み合わせて制作しています。